++ゆうと日記雑記++

あいこっち


天然理心流


先日、某流派の開所3周年記念のお祝いに出かけた。
主催は、警視庁の方だから、斎藤一の後輩になるのだな。
別の流派からも、お祝い(?)に先生が来ていらして、私は二つの流派の演武を見ることが出来た。
凄い。(今の)天然理心流とは、はっきり言って比べ物にならない。

今の理心流は、型ばかりで、実戦的なことは殆ど学ばない。
二派ある天然理心流のうち、近藤先生の時代の理心流を、どの程度継承しているかというと、一派は50%ほど。もう一派は10%ほどに過ぎないとのこと。
先生は立派な方なのだが、お弟子さんが……(^^;)
以前は、上手い人がいた。けど、そういう人たちは何故か殆ど辞めてしまって、今は、納刀もまともに出来ない、ミーハーな女の子がたむろしている場所に成り下がっているらしい……(^^;)

それに比べて、今回の某二つの流派。
『今の理心流とよく、比べてみてごらん』とある方に言われて、食い入るように見てきた。
さすがに凄かった。(今の)理心流が、女子供の遊びに見えてしまう(^^;)

竹の先を割って作った竹刀で、実戦を披露してくれた。
つまり、演武として動きを事前に打ち合わせするのではなく、本気で立ち会うのだ。
剣道ではないから、面も籠手も胴も、何もつけない。
息づかいも、竹刀の合わせ方も、生々しい。あたりの空気まで緊迫していて、もの凄く怖かった。見ているだけなのに、逃げ出したいくらい、怖かった。
本物の斬り合いって、あんな感じなんだろうな、と、実感した。

それから「後ろから襲われた場合」とか「座っていて、正面から柄を握られた場合」とか「前にいる味方の、その先にいる敵を倒す場合」とか「四方から囲まれた場合」とか実際にあり得そうな場面を想定して、やってみせてくれた。
実にリアルで、強烈な印象を受けた。

本来、武術ってのは、こうでないといけない。
まぁ、女子供でも楽しめる剣術、というのがあってもそれはそれで構わないのだろうが、今の理心流を、勇先生は、どう思って見ているだろう。
少なくとも勇先生の時代の天然理心流は、今回、私が見てきたような、命がけとも言える稽古をしていたに違いない。
1998年04月06日(月) No.7 (新選組)
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